【読書会取材レポート】千葉大 未来の教員たちによる「超実践型読書会」

カテゴリ読書会

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読書会レポートの第一回は、 千葉大学の教育学部「藤川研究室」の教授と学生を中心に行われている 読書会です。

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今回の取材レポートは、2014年11月30日の午前に開催されました。今回の読書会の時間は、おおよそ1時間30分でした。

この読書会、大学の授業とは一線を画していて、

  1. 単位なし!
  2. それでも(だからこそ)学生がアクティブに取り組む。(卒業生も参加!)
  3. ただ「学ぶ」だけでなく、考える力が身につき、筋肉まで鍛えあげる

といった特徴がありました。そして、学生の読書会といって侮ってはいけないほどのビジネスで活躍するのに必要な「力」を鍛えることができる「実践型読書会」でした。

さて、それでは、その読書会をレポートしていきます!


 

千葉大学教育学部「藤川研究室」は、アントレプレナーシップ精神のある研究室

千葉大学教育学部教授(教育方法学、授業実践開発)である藤川教授の研究室。
将来教員となる大学生が小学生に起業を教える「西千葉子ども起業塾」やキャリア教育授業・ICT教育などの最先端のテーマの教育を研究している教授です。

その他、企業教育研究会の理事長や全国教室ディベート連盟理事長、芸術家と子どもたち理事、季刊『授業づくりネットワーク』新編集長や明日の教室東京分校運営など広く活躍しています。

また、最近では、『授業づくりエンタテインメント! ―メディアの手法を活かした15の冒険』を出版し、話題になっています。

▼藤川大祐教授のウェブサイト http://dfujikawa.cocolog-nifty.com/
▼西千葉子ども起業塾 http://kids.wtwt.jp/

 

読むだけ、理解するだけではない、将来の先生たちに欠かせないアウトプット力が鍛えられる読書会

本読書会は、一つの「本」を皆で読み進めるスタイルです。 教授をメンターとして、6-7人の学生で会が構成されます ただ、この「読み進める」ということが、ただ「読む」ということとは違いました。

前半と後半の2部構成

「前半」は、「前回の読み進めについての内容おさらい」。担当学生による前回の話し合いについての要約文=プロトコルを元に再度理解の確認・おさらいを進める。

【前半のポイント】
・担当からのプロトコル報告(理解を深める) 
・それについて、皆で指摘する 
・更に理解を深める ※「理解」「アウトプット」の訓練
→ややこしいことも、ちゃんと説明しきる!

「後半」は、皆で読み、1行ずつ理解をしているかの丁寧な読解確認作業を時間いっぱい行います。

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現在取り組んでいる本『哲学的探求』

内容(「BOOK」データベースより)

「私たちは歩きたい。そのためには摩擦が必要だ。ざらざらした地面に戻ろう!」―自らの哲学を、日常言語の働きの理解に向かって大きく転換させたヴィトゲ ンシュタインの主著『哲学探究』が、清新な訳文によって格段に近づきやすいものとなった。遺稿にさかのぼって新たなテクスト整備がほどこされた新校訂のエ ディションにもとづく待望の新訳。

読書会参加者の声

Aさん(大学生♀):4年生の読書会中堅候補生の声

・普段読まないような本
・挫折しそうな本に取り組むこと ・難しい本の読み方がわかる
・プロトコルをやるのは辛い・・・が、これを書くということが、論文力・アウトプット力が勉強になり、得るものは大きい。
・朝の参加はつらくない

Mさん(OB♂):2006年の読書会開始期から参加・立ち上げのベテランの声

・藤川先生と読書会をはじめたきっかけは、子どもに子どもを表現させる研究と若い学生の論文の訓練
・教師が陥る「ワナ」=わかったつもり、わかってるつもりの解消につながる客観的で、深いアウトプット力が身につく
・実践に応用できる学びが多い

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藤川教授から一言

過去、単位にしたことがあったが、キツすぎて、学生が諦めて、成り立たなくなった。 今は単位という縛りがなく、単位なくても、目的意識をもって参加する学生により、この 難解な読書会が成り立っています。

まとめ

いかがでしたか。

私も実際に見学して、「読む」の先にある「自分のもの」にすること。そのために必要な努力というものは、困難なものほど、困難な努力が必要と改めて実感しました。

以上、読書会レポートでした。

(文章・写真:BIRDY読書会チーム)

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