第14回 『このミステリーがすごい!』大賞決定!

ミステリー・サスペンス・推理

第14回 『このミステリーがすごい!』大賞の受賞者が決定!

応募総数414作品の中から、1次選考(19作品通過)、2次選考(7作品通過)を経て、一色さゆり『神の値段』と城山真一『ザ・ブラック・ヴィーナス』の2作品が大賞を受賞し、大津光央『たまらなくグッドバイ』が優秀賞を受賞しました。

大賞賞金は1200万円(均等に分配)、優秀賞賞金は200万円で、同3作品は2016年1月から3月にかけて書籍化する予定とのことです。

 

大賞 『神の値段』 (仮) 一色 さゆり 2016年2月刊行予定

【あらすじ】
人前に姿を見せない前衛芸術家・川田無名。唯一その正体を知るギャラリー経営者の死。果たして無名に隠された秘密とは?

【受賞者プロフィール】
一色 さゆり (いっしき・さゆり) 1988年生まれ。女性。京都府京都市出身、静岡市在住。東京藝術大学芸術学科卒業、ギャラリー勤務を経て、香港中文大学大学院美術学部在籍中。

「30歳までに本の出版を目標に、10代の終わり頃から書いては応募を繰り返していました。1行目から最後の行までは2ヵ月かけて書きあげ、同じく美術をやっている夫と2人でアイデアを出し合ってもう2ヵ月かけて加筆修正を行いました。趣味は釣り、語学、映画(日活ロマンポルノからインド・中東映画まで)、アニメ鑑賞です!」

<選評>
・専門知識に彩られた美術関連のディテールには厚みがあり、人物造形を含め、筋の運びも達者(茶木則雄) ・美術界をめぐるエピソードの数々が興味深く、それらを生かした不可解な謎をめぐるサスペンスとして、秀逸である(吉野仁)

 

大賞  『ザ・ブラック・ヴィーナス』 (仮) 城山 真一 2016年1月刊行予定

【あらすじ】
必要なお金のかわりに自分の最も大切なものを差し出せますか?――金を通じて人の心を描き出す小説。

【受賞者プロフィール】
城山 真一 (しろやま・しんいち) 1972年生まれ。男性。石川県七尾市出身、金沢市在住。金沢大学法学部卒業。

「作品作りをするときは、「経済ってこんなに面白いんだよ」と若い女性や子どもたちにも楽しめるわかりやすいものを書こうと意識しています。経済関係のノンフィクション本は、執筆のために月10~15冊ほど読んでいます。趣味は野球観戦で、地元の“石川ミリオンスターズ”を応援しています!」

<選評>
・異色のコンビを配した経済サスペンスで、くいくい読ませる快作(香山二三郎) ・導入部から怒涛のラストまで、一気呵成に読ませるリーダビリティは今応募作中、随一(茶木則雄)

 

優秀賞  『たまらなくグッドバイ』(仮) 大津 光央 2016年刊行予定

【あらすじ】
八百長疑惑で自殺した往年の名投手。彼にまつわる数々の謎の真相は?

【受賞者プロフィール】
大津 光央 (おおつ・みつお) 1977年生まれ。男性。兵庫県神戸市出身、大阪市在住。現在ミュージシャン。学生時代には馬場馬術でインカレに出場。

「スポーツ好きの友人が多いのでそこをテーマにしました!活字嫌いな知人友人に囲まれており、スポーツ(特に野球)に目がない人が多いので、そこをテーマにすればいつか本になったときに、彼らにも読んでもらえるかと思い、筋を立てました。」

<選評>
・野球ミステリーの新機軸。大賞受賞作と比べて、その才能はいささかも劣るところはない(茶木則雄) ・魅力的な謎を提示した異色作。独創性ということでは、今回、これが抜きん出ていた(吉野仁)

 

『このミステリーがすごい!』大賞とは?

ミステリー&エンターテインメントブックガイド『このミステリーがすごい!』を発行する宝島社が、新時代の新しいミステリー&エンターテインメント作家・作品の発掘・育成を目的に、2002年に創設した新人賞。大賞賞金は文学賞最高額である1200 万円。受賞作はすべて書籍化。大賞作品はすべてベストセラーとなり、『一千兆円の身代金』(今秋テレビドラマ化)『果てしなき渇き』(映画タイトル「渇き。」)など、映像化作品も多数世に送り出し、第153回直木賞を受賞した東山彰良氏や、累計1000万部突破の『チーム・バチスタの栄光』シリーズの海堂尊氏などの作家を輩出している。また、受賞には及ばなかったものの将来性を感じる作品も「隠し玉」として、他の受賞作と同様に書籍化している。