【読了&感無量】べしゃり暮らし19巻(完結)

週刊てるゆきv3

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べしゃり暮らし19巻(最終巻)の感想レビュー(※ネタバレあり)

 

いやーーー。終わりました。べしゃり暮らし、2005年から連載開始で、10年ですね。森田まさのり先生、お疲れ様でした。素晴らしいラストでした。

よもや名作、「ROOKIES」を超えるものを打ち出せる先生には、感動と尊敬の言葉につきます。

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ということで「べしゃり暮らし」19巻(最終回)と全体を通しての見どころポイントを振り返ってみました。

お笑いの頂点イベント「NMC」の準決勝に残った「べしゃり暮らし」の二人。

圭右の記憶喪失はコンビ最大の武器・アドリブを奪うが、辻本はそんな圭右のために新ネタを書き上げる。コンビの絆を強くするが、二人に更なる緊急事態が…!? 魂を揺さぶる感動の最終巻です。そして、奈々と圭佑の恋の行方もしっかり描かれていますよ。

 

全体を通してのテーマ1:「相方」とは何か?

相方とは何か?を色々なお笑いコンビを通して、相方の形をいろいろ見せてくれました。そして、最後にべしゃり暮らしとしての相方を答えをしっかりと明示しています。きれいな終わり方~!!それにしても、最後の主人公 二人がみせた、「相」の形。あぁっ!!となりました。ただ、これは、記憶力の良い方はお気づきかと思いますが、ネズミ花火の復活解散ライブでの事と非常に似ています。この展開は最後だけにとっておいてほしかったとみるか、これがあるから、この形を思いついたとみるか。先生!どっちですか!

このリアリティは、徹底した取材が鍵か!?

 

 全体を通してのテーマ2:「笑い」とは何か?

「笑い」のプロであるお笑い芸人を描いた本作品。避けては通れないテーマは「笑い」ですね。「お笑い」とは何か?も各芸人や観客、そして、特に上妻と辻本の主人公二人のお笑い芸人のプロを目指す過程で、描かれていました。

加えて、漫画でいかに、この笑いを伝えるか?という点においても、音楽漫画「BECK」では、観客や文脈、そして表現力・空気をつくることで魅せましたが、本作では、ネタも含めて笑いを生むことに成功しています。んーさすが!

 

全体を通してのテーマ3:「家族」というもの

ROOKIEでは友情・仲間が主軸でしたが、今回は主に主人公2人に焦点をあてたことによって、この二人の家族模様、絆までお話に濃密に盛り込んでいます。加えて姉の結婚、自分たち自身の恋愛、高校編のメインである「蕎麦屋」のあの事件・・・などなど、家族・最後は自身の恋愛の行方まできっちり描いてくれています。

 

全体を通してのテーマ4:「夢」というもの

ろくでなしBLUES、ROOKIESと違い、高校卒業後も描いていて、見る側の「夢」に対するリアリティが前2作以上に感じられる作品になっています。お笑い学校の先生、親、プロのお笑い芸人、様々な先輩・人生の師匠が、主人公たちにヒントを与えてくれたり、助けてくれたりしました。

「夢」をかなえる・・・そして、かなえた後の(苦労、叶えてからが本番という)ストーリーを描いているのが本作の特徴でしょう。キラキラするだけじゃない!

 

全体を通してのテーマ5:「才能」とは何か?「天才と」とは?

で、ROOKIESからも「天才」「才能」というキーワードがでてきます。森田先生の作品では、「青春」「夢」とセットの言葉として扱っているように思いますし、僕も非常に共感します。

夢に挫折して、新しい夢をみつけて・・・それでも夢を叶える人、それを諦める人生を選ぶ人・・・最終的には自分で選ぶんですが、じゃぁその夢を叶えた一握りの人と、かなわなかった人の差はなんだろうかと・・・

主人公の上妻は相方に「努力できる才能持ってる人こそが本当の天才なんだよ!」といっています。しかし、天才上妻をだれよりも知る辻本にとっては、その言葉だけで乗り越えられない壁を感じていくようになり挫折と失望により追いつめられていきました。

そんな彼も、とあることで、「本当の努力」を知り、それを乗り越えます。

だれが天才やねん・・・。

彼は「天才」でない自分を受け入れ「覚悟」によって「天才」を超えたのかもしれません。本作の素晴らしさは、この「夢」に関する哲学に尽きると思っています。

やればできる。そんな甘いキラキラワードやってもできない・・・というしょうもないワード。本当の努力をしてきていない人間には、どちらにも答えはないということ。

森田先生が、漫画家という夢を見て、実現するまでの苦労・努力・それ以上の何かを感じさせ、それを僕達に伝えようとしてくれていることがひしひしと伝わってきます。

 

ということで最終回「感無量」・・・

ラストシーンのあのカット、素晴らしい!夢は決して甘くないけど、夢をかなえる力とは何かをしっかりプレゼントしてくれています。

涙を流した数でいえば、ROOKIESでした。が、「笑い涙」の数はどの作品よりも多いと思いました。

そんな本作を気に入って頂けた方には、「ROOKIES」、コメディアンの親子の物語映画「晴天の霹靂」をおすすめします^^

 

 

 

 

 

 

 

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「週刊てるゆき」執筆。映画・マンガ・本などインドアが趣味/株式会社ネクスト・アカデミー代表取締役/東京大学EDGEプログラムメンター/千葉大学非常勤講師/NPO78会