まちにまったへうげもの20巻、「いよいよの巻」と言えるほど、いよいよな巻でした。
見どころは3つ。
1)いよいよの「大阪夏の陣」前夜!!
江戸幕府が豊臣家を滅ぼした戦い。本作品の徳川幕府の幕開けする一代目徳川家康の集大成的な戦い。本作品では、江戸幕府というよりは徳川家康個人の考え「太平の世界」のための最終段階といえる。
2)いよいよの「古田 織部」の最期前夜!!弟との別れ・・・
こちらも、歴史をみれば、明らかなのですが「夏の陣」が織部さんの最期と、歴史上はされています。本作品ではどうなるか!
豊徳合体を目指した、豊臣側の一味。義理の弟、高山さんと妻の実妹との「別れ」は、織部さんの真骨頂ともいえる「乙」の実現であり、「乙」の限界を垣間見せる名シーンに仕上がっています。喜びの笑いとせつない涙を両方表現する作者の力・クリエイティブには、ただただ頭が下がる。100回読んで学びたい。
3)まかさの「徳川家康」
明智光秀の意思を受け継ぎ、織田・豊臣時代のセンゴクの時代を終わらせた徳川家康の目指したもの。「太平の世の中」。
頂上にいる「徳川家康の孤独感」・「焦り」・「限界」は20巻の見どころです。
皆の正義のヒーローであった家康が、息子からも家臣から離れていく・・・ 自らが自ら憎んだ「敵」になってしまうのか・・・夏の陣で、彼の目指すもの真価が、表現されるんでしょう。楽しみです。
まとめ
わびさびの頂点を極めた「千利休」と戦国の頂点を極めた「豊臣秀吉」の構図と新わびさびの頂点「古田織部」と新戦国の頂点「徳川家康」との相違点・類似点をよく見てみるのが醍醐味。お互いが先人をみて、同じ過ちをしないようにしつつも、志・野望や恩・しがらみをもってどのように生き様を選ぶか。 それが問題だ!