2016年7月、高知県香美市の「やなせたかし記念館」で20周年の記念イベントが開催されました。記念式典や「それいけ!アンパンマン」の映画上映、テーマ曲のコンサート等が催されたそうです。
そう、国民的キャラクターとして永く愛されているアンパンマンも、アニメ放映開始から20数年もたちました。
今回は、今もなお子供たちに絶大な人気を誇るアニメ「それいけ!アンパンマン」の作家「やなせたかし」さんのヒストリーを紹介します。
「やなせ たかし」さんってどんな人?
大人気アニメ『それいけ、アンパンマン』の生みの親。
1919年、東京生まれ。2013年に94歳で亡くなるまで、漫画家、絵本作家、詩人として活躍。幼少期に父の出身である高知県に移住し、作家としてデビュー後も高知県に縁が深く、アンパンマンミュージアムなども高知県に置かれています。
中学生の頃から絵に関心を抱いていて、官立旧制東京高等工芸学校図案科(現・千葉大学工学部デザイン学科)に進学しました。
アンパンマンが生まれたきっかけは、日中戦争出兵
「人生で一番つらいことは食べられないこと」というのが、アンパンマンの原点で、1941年大学卒業後、22歳のときに徴兵され、日中戦争に出征します。このときの深刻な食糧難の体験が、のちに食糧を運んでくれるヒーローを生み出すことにつながりました。
戦後…「とにかく貧乏は嫌だった」
終戦後1947年に上京し結婚。この時期、漫画家を志すようになります。
とにかく貧乏が嫌だったため、漫画家を目指しつつ、企業で働く道を選びました。就職先もなんとあの「三越」で、宣伝部でグラフィックデザイナーとして活動しながら漫画家を志した。
あの有名な三越の包装紙「華ひらく」。猪熊弦一郎氏によってデザインされたことは有名ですが、ロゴを書いたのは三越で働いていた当時のやなせさんだったんです!グラフィックデザイナーとしても一流だったんですね。
▼関連サイト
http://www.miguide.jp/japansenses/20160330/mitsukoshi/setouchi-artfest/hana-hiraku/
兼業漫画家!?「困ったときのやなせさん」
各方面でマルチな才能を発揮。それまで描いていた「大人漫画」「ナンセンス漫画」の衰退により、漫画発表の場が激減。そんなときに、舞台美術制作や放送作家などその他の仕事のオファーを次々に引き受け、ヒット作も世に出します。
【実績】
1960年、永六輔作演出のミュージカル「見上げてごらん夜の星を」舞台美術担当。
1961年、『手のひらを太陽に』を作詞。同作で2000年に日本童謡協会功労賞受賞。
そして、絵本作家へ – 50歳で「アンパンマン」誕生
1969年、大人向けの読み物『こどもの絵本』の連載として「アンパンマン」がスタートしました。
1973年、あんパンでできた頭部を持つ「あんぱんまん」が「キンダーおはなしえほん」(フレーベル館)に登場。同書は、やなせさん初の幼児向け絵本でした。
1975年、キャラクター名を片仮名に変更した続編の絵本『それいけ!アンパンマン』を出版します。
あんぱんまん (キンダーおはなしえほん傑作選 8) 単行本 – 1976/5
それいけ!アンパンマン (フレーベルのえほん (9)) 単行本 – 1975/1
絵本のアンパンマンは次第に子供たちの間で人気を集め、幼稚園や保育園などからの注文が殺到するようになりました。
アンパンマンが国民的キャラクターへ
1988年、テレビアニメが放映開始。
今や、子供たちに絶大な人気を誇る国民的キャラクターですね。アニメーション映画化、漫画化やゲーム化、関連商品も多数。
テレビアニメ公式サイト:http://www.ntv.co.jp/anpanman/
アンパンマンとバイキンUFOロボ (アンパンマンアニメライブラリー)
1990年に「日本漫画家協会大賞」受賞!
1990年に「アンパンマン」シリーズで日本漫画家協会大賞受賞。1991年には春の叙勲で勲四等瑞宝章を受章しました。
日本漫画家協会理事長に。業界に貢献し続けました。
2000年(平成12年)には日本漫画家協会理事長に就任。2012年には会長に就任。2013年に亡くなるまで精力的に活動をつづけました。詩の活動も継続して続けました。
希望の歌―やなせたかし童謡詩集 単行本 – 2000/7
アンパンマンとリンゴぼうや (アンパンマンのおはなしるんるん) 大型本 – 2013/11
亡くなる前、最後の作品となりました。
まとめ
日本を代表する素晴らしい故人。改めて、やなせ先生のご活躍を知りたい方は「やなせたかし作家活動60年」、絵本『あんぱんまん』40年、アニメ『それいけ!アンパンマン』放映25年を記念した「やなせたかし大全」をおすすめします。
やなせたかし大全―TAKASHI YANASE ON STAGE 大型本 – 2013/11