洗濯板でお洗濯、火を熾してお料理なんて時代ではなく、家事にかける時間は昔に比べてぐんと短くなりました。
結婚後、子供がいても働きたいと考える女性や、「週末や夜に子供と過ごす時間が大好き」という男性も多くなり、仕事の場でも結婚生活でも、男性と女性が上手に協力しながら過ごしていくことが大切だと感じます。
こんなふうに、時代は変わりつつありますが、働く女性の頭の中は考え事でいっぱい。 これからの人生や時代に対する心配事がふと浮かぶ瞬間があるのではないでしょうか。
この連載では、企業のインナーコミュニケーションの活性化をサポートしているコンサルタントが、多くの女性が抱えている悩みを取り上げ、それらについて考えていきます。 皆さんが、ご自身の人生について考えるきっかけになれば幸いです。
第1回 ~ 女性にキャリアプランは必要か? ~
私の答えはYES。あった方が良いと思います。
でも、「必ずしも達成しなければならないプラン」ではなく、「状況に応じて変化するかもしれないプラン」で良いんじゃないかな、と思います。 「それじゃキャリアプランじゃないじゃん!」と思うかもしれませんが、「現時点でのプラン」があった方が、仕事が楽しいと思います。
私がこう考えるのには、過去に失敗した経験があるからなのでした。
少し、時計の針を戻します。
大学3年生の頃、私は、就職活動の時期に下着メーカーの総合職が気になっていました。 でも、「いずれ結婚するかもしれないから、転勤のない職種で働きたい」と考えて、事務職を選びました。
会社が決めた私の配属は経理。 大切な仕事だということが頭ではわかっていても、やり方の決まったものを適切に処理する仕事は私にとっては苦行でしかなく、1年間、睡魔との戦いになってしまいました。
自分は単調な仕事が苦手なんだと知ったのはこの時。もっと自分で考えて動ける仕事がしたいと思うと同時に、私は自分のことを自分でよく分かっていないんだなとも思いました。
そこで、新卒の時に気になっていた下着メーカーに転職し、販売員になりました。転勤はありません。 でも、この仕事も物足りなく感じてしまい、その後、不動産会社での営業職を経て、別の下着メーカーで担当ブランドのマネジメントや社員教育、企画部門とのパイプ役となる職種に就きました。
過去の私のように、「いずれ結婚するかもしれないから○○」という考え方で、しっかりと自分軸でのキャリアプランを練らずに仕事を選んでしまうと、合わない仕事についてしまって苦しい想いをすることがあります。 仕事が合わないと、結婚生活云々の前に、自分の人生について悩んでしまう。 だからこそ、現時点のもので構わないので、「今の自分にとっての全力のプラン」を考えておいた方が良いと思います。
そして、私がいろんな会社で働いて発見だったのが、「会社に制度がなくても、相談するとその制度を設けてもらえる場合がある」ってことでした。 以前同じ会社で働いていた友人は、時短勤務の制度のない自分の会社に相談し、妊娠中や子育て中に時短勤務で働かせてもらっていました。 転職せず、まずは自分が働いている会社に相談してみる。だめなら転職やキャリアチェンジを視野に入れる。そういう柔軟性が大事だと思います。
私はというと、その後も色々と転職をしたのですが、ある時点で独立する方が向いている自分の本質に気づき、今は個人事業主として働いています。 収入はOL時代よりも多くなり、自分の時間も増えました。 仕事も、独立した今が一番楽しいです。
でも、これは、結婚のためにした選択ではありません。 みなさんに独立を薦めるものでもありません。 自分の人生を自分らしく生きるにはどうしたら良いかを必死で考え、一つ一つを実現していった先に、たまたま今の生活がありました。
私は現在も独身で、いずれは結婚してみたいと思っていますが、相手があることなので、どうなるかはわかりません。
でも、結婚してから自分のキャリアについて深く悩むことはもうない気がします。 そして、もし結婚しなくても、自分らしく生きていけそうな予感がしています。
みなさんは、どんな人生を歩んでいきたいですか?