『金正恩 恐怖と不条理の統治構造』(朴斗鎮)

大学・研究・ゼミ・大学入試

こんにちは。高橋ゼミのSです。

 

今回ご紹介する作品は『金正恩 恐怖と不条理の統治構造』という作品です。

この本を選んだ理由は、米朝会談もいよいよ実現化されそうな中でこれからの北朝鮮問題を追っていくためには今の北朝鮮を知る必要があると感じたからです。この本を読んで北朝鮮の現状や問題点が見えて非常に危うい国であることが分かりました。

まずは北朝鮮の現状と問題点についてです。今の北朝鮮は恐怖政治によって成り立っており金正恩氏が言ったことが全てとなる首領絶対独裁体制です。そのために洗脳政策を行い指導者を神格化するのですが、今の北朝鮮国民は口では「金正恩万歳」と言いながら心ではそんなことを思っていない面従腹背だというのです。

なぜそんなことになっているのでしょうか。その理由は大きく3つであります。それは金正恩氏自身の神格化が不完全であること、やりすぎた恐怖政治、携帯電話の普及にあると考えられます。1つ目の神格化が不完全なことには母親がかかわっています。金正恩氏の母が在日朝鮮人であるため偶像化が困難であることや側室の子どもであるため金日成と一緒に写っている写真がないことが関係しています。2つ目のやりすぎた恐怖政治とは、金正恩氏が猜疑心を消せず自分の意見に異を唱えた者はほぼ全員処刑してしまうことです。中でも民衆が動揺したのは金正日氏の側近でもあり彼の叔母の夫でもあった張成沢をも処刑して、その子どもまで全員銃殺したことです。3つ目の携帯電話の普及とは、富裕層の携帯電話の普及から情報遮断システムが限界を迎えていることも洗脳しにくくなっています。インターネットは繋がらないようになっており全ての携帯電話に盗聴器などが仕込まれていますが、それを掻い潜って禁止されている韓流映画やドラマを見る人が後を絶たず全てを取り締まることは不可能に近くなっています。これにより自分たちの世界と比較対象が出てしまいうまく洗脳されないのです。これらの結果、民衆は困惑・不信感を抱き徐々に愛国精神が薄れていっているのです。

最後に米朝会談が行われるとしたらアメリカに何を期待すればよいのでしょうか。それは圧力を加え続ける姿勢です。トランプ大統領になってから武力での圧力に力が入りました。この本を読むまではトランプ大統領の敵意むき出しの政策は戦争を引き起こしかねない危険なやり方だと思っていましたが、ここで北朝鮮に対して甘くでると絶好の機会を逃すことになりかねないと知りました。なぜならば北朝鮮は、今は戦争に勝てる見込みがほぼないからです。前述したように国民の愛国精神は薄れて一心団結は難しく、兵士も飢餓により戦える状態ではありません。肝心の核爆弾やミサイルもまだアメリカに届くものは恐らく完成していないと思われます。完成しているのならば実験を繰り返す必要はなく先制攻撃に反撃もしているからです。しかし、ここで甘い態度をとってしまうと研究が進み完成してしまいます。そうなったときにはアメリカや日本にとってとてつもなく不利な状況になってしまうのです。だからこそ今のうちに圧力をかけて降服させることが必要になるのです。

北朝鮮に圧力をかけることで日本も何かしらの影響は受けることになると考えられ、私たちも無関心ではいられません。そこで相手のことを知っておくためにも皆さんもぜひこの本を読んでみてはいかがでしょうか。

 

BIRDY meets 高橋ゼミ

「BIRDY」コラボーレーション・ブクログとして、跡見学園女子大学の高橋ゼミのブクログ情報を提供いただき、掲載しています。

この記事に関するお問合せは、BIRDYお問合せページにてご連絡ください。

ABOUTこの記事をかいた人

▼2年実践ゼミナール 「働く女性と法ゼミ」 時事問題や女性を取り巻く法と会社法を学ぶ。 全員2週間のアカデミック・インターンシップを体験 インターンシップ先は、議員事務所、区役所、一般企業等。 ▼3.4年展開ゼミナール「企業法ゼミ」 会社法と金融商品取引法を学ぶ。 判例研究や、論文の輪読など。 (ゼミ員数 2年~4年、各学年15名前後)