文学は難しい?? そんなことありません!!!
たしかに、言い回しや描写等が小難しく感じられるかもしれません。
でも、美しい言葉・胸を刺す心理描写…等は心に訴え、頭というよりは、感覚で読まされるものだと私は思っています。
ということで、「文学女子のすゝめ」と題し、名作に紡がれた言葉や内容を紹介してゆきます。
今回は、宮沢賢治の作品から「やまなし」をご紹介します。
2枚の青い幻灯〜やまなし〜
小学校の教科書に載っていることもあり、ご存知の方が多いこの作品。
主人公は蟹の兄弟で、蟹達は”クラムボン””イサド”等の不思議な言葉を話しています。
”クラムボン”は何?という疑問は尽きないようで、現代でも論じられていますが、ここで話す話題でもないので割愛しますww
でも、小学校の時に読んで、大人になっても覚えられているって不思議じゃないですか?
そこが「やまなし」の凄いところ、魅力の現れだと思います。
蟹の兄弟の言葉は、素直に見たものを擬音語を織り交ぜながら話し、恐怖も楽しさも伝わってきます。(めっちゃ可愛い)
また、風景描写に色・形・擬音語・カワセミ・やまなしが効果的に使われていて、一見すると意味が分からない文章なのに、読み始めるともう読者は川の中です(笑)
その中でも私が好きな言葉は「月光の虹がもかもか集まりました」という、川に落ちてきたやまなしが木の枝にひっかかって止まったその上を表した文章です。めっちゃ幻想的☆
ちなみにこのやまなしは、約2日後に川底(蟹達の地面)へ沈み、ひとりでに美味しいお酒になるとの蟹父情報。お…美味しそう…
読めば読むほどに引込まれていくこの作品。
色々な見方ができるのも世代を超えて読まれる理由なのかもですね。
気になった方は読み返してみて下さい^^
子どもの頃とは違った見方ができるかもしれませんよ☆
青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/46605_31178.html
宮沢賢治のプロフィール
宮沢賢治 Kenji Miyazawa(1896~1933)
岩手県花巻市生まれ。生家は古着・質商。盛岡の高等農林学校在学中に詩や散文の習作を始める。日蓮宗に深く帰依し、一時上京をして布教生活を送る。帰郷後は農林学校で教えつつ多くの詩や童話を書く。やがて農林学校を退職、「羅須地人協会」をつくり、農民への献身の生活に入った。生前はほとんど無名のままに死去。病状のなかで手帳に綴ったのが「雨ニモマケズ」の詩。
広く作品世界を覆っているのは、作者みずからの裕福な出自と、郷土の農民の悲惨な境遇との対比が生んだ贖罪感や自己犠牲精神である。また幼い頃から親しんだ仏教も強い影響を与えている。
特筆すべきは作者の特異で旺盛な自然との交感力である。それは作品に極めて個性的な魅力を与えた。賢治作品の持つ圧倒的魅力はこの天性を抜きには説明できない。
童話作品においては擬声語(オノマトペ)を多用し、作品によっては韻文にも近いリズム感を持った文体を使用したことも大きな特徴である。