既婚の方にお会いして、お仕事や結婚後の生活、人生観についてのお話を伺うシリーズ。
今回インタビューを受けてくださったのは、コンサルティング会社で様々な役割をこなす「疋田真理」さんです。
見えない赤ちゃんを抱えて就職活動をすると言われる女性たち。時は流れているものの、就職を控えた大学生、働き盛りの世代、既婚者、それぞれの世代の女性が、今もなお仕事と家庭の両立に関する悩みを抱えながら生きています。
「女性がバリバリ働いたら、結婚生活は成り立たないものなの?」
「結婚生活が成り立っているなら、どんな工夫をしているの?」
真理さんのライフスタイルに、これらの疑問に対するヒントがあるかもしれません。
疋田さんの現在の仕事・活動
コンサルティング会社勤務 |
多忙な毎日
真理さんの仕事は多岐に渡り、社内の数値管理や雑務全般、クライアントの会計・経営に関するコンサルティング、メンタルヘルスカウンセリング、それに伴う事務作業、新規プロジェクトに必要なリサーチなどです。
帰宅時間は、平均すると20時半。繁忙期は23時を回ることもあります。
結婚生活について
結婚時期 : 2013年 家族構成 : 旦那様と二人暮らし 旦那様について : 会社経営者 |
リビングはOffの部屋。家で仕事をする時は「仕事ルーム」で。
家で仕事をすることもある疋田夫妻。そのため、二人はルールをつくりました。
「リビングで仕事はしない」。
当初は、どちらかがリビングで仕事をしている最中にそれを知らない相手方が話しかけてしまい、ケンカになったことがあったそう。
そこで、仕事中だということが相手にわかるように、そして、仕事とプライベートをきちんと区別できるように、家で仕事をする場合は仕事ルームでと決めました。
もしもリビングで仕事をする場合には、「リビングで仕事しても良い?」とお互いに断ってから仕事をします。
家事は半々くらいを目指して自然に協力
「それぞれが得意なことをやるのが一番。」と話す真理さん。
お料理は旦那様が苦手としている分野なので真理さんが行い、休みの日にまとめて3日分くらいの料理を作ることも。そのかわり、旦那様がお皿洗いをしてくれることが多いそうです。
お掃除はルンバが担当。お洗濯はどちらかがやります。
「洗濯機を回したのはいいけれど、干す時間がなくて夫にお願いしたこともありますよ。(笑)
夫が洗濯物をたたんでおいてくれることが多いですね。基本的に半々という気持ちがお互いにあるので。」(真理さん)
もちろん、常に半々、常に完璧ということはないそうで、自宅で集中して仕事をしていた旦那様が、雨が降ってきたことに気づかず、洗濯物を取り込み忘れていたというなごみエピソードも。
お互い、時々相手に対して「これをやっておいてくれたら楽だったんだけどな」と思うことはあっても、言葉にはせずにその気持ちを心にしまうことがあります。
お互いがお互いの状況を理解しているからこそ起きる優しいガマン。気遣いと協力を忘れません。
自分で決めて歩んでいる道
事情があって、結果的に当初考えていたキャリアとは違う道を歩んでいる真理さん。
決断していく過程では葛藤もありました。
でも、後から誰かや何かのせいにしてしまうのは良くないという想いから、旦那様は何も言わずに、真理さんが自分で決断するまで見守っていてくれました。
「自分で選んだ道だから、今は悩んだりはしないです。仕事は大変だけど楽しい。」(真理さん)
「もともと、母が働いていたので、専業主婦になりたいという気持ちはありませんでした。
でも、今後、状況が変われば専業主婦になることもあるかもしれません。
その時その時の状況に応じて、ベストな選択が取れれば良いかなと思っています。
この考えは夫も同じですが、彼は少し複雑なんだそうです。(笑)
家でご飯を作ってほしいなと思うこともあるそうですが、私の状況を知っているからこそ、時に仕事が優先で家のことが後回しになってしまうことを理解してくれています。」(真理さん)
形にはこだわっていなかった「結婚」。真理さんにとって結婚とは?
「お互いに、結婚という形にこだわっていたわけではなかったですし、絶対に結婚しようと思っていたわけでもなかった中、二人とも、『この人と一緒に人生を歩んでいったら楽しいだろうな』と思ったので結婚しました。
結婚すると、良いこともありますし、我慢もあります。
それらを共有しつつ、どう折り合いをつけていくかを考えながら過ごしていくことになるので、結婚は人として成長するためにあるものなのかなと思います。」(真理さん)
仕事観だけではなく、生活や人生の価値観が合う相手選びを
独身女性へのアドバイスを伺いました。
「普段『独身』『既婚』で物事を考えないのでなかなか難しい質問ですが、男女の場合、仕事観の他に生活や人生の価値観が合う相手の方がうまくいくと思います。大人になると、仕事に関する話が合うとなんとなくその人と気が合っているような感覚を覚えてしまいますが、仕事観が違ったとしても、お互いのキャリアプランをしっかり話し合ったり受け入れ合ったりすれば済むケースが多いと思うんです。それよりも、仕事じゃない話でどれだけ盛り上がれるかの方が重要なんじゃないでしょうか。」(真理さん)
ちなみに、真理さんが結婚に求めたのは、穏やかに楽しく暮らせる毎日。
「今の生活に満足しています。」と話してくれました。
みんなもっと自由に生きて良いと思う
女性が働きやすい環境をつくろうという世の中の動きについてどのように感じているか、率直なご意見を伺いました。
「国の政策などから、『結婚しなくちゃいけない』、『子供を生まなくちゃいけない』といった、同一の『これが正解らしき道』に向かわなければいけない感じがすることは多いものですが、もっとみんな自由に生きて良いんじゃないかなって思っています。
仕事に関しても、たくさん働きたい人もいればそうでない人もいますから、子育てとキャリアの両立を望む女性にとっては今の世の中の動きはすごく良いことだと思うのですが、そうではない女性にとっては少し負荷がかかってしまうかもしれませんね。
そして、これは女性のみなさんが聞いたらどう思われるか不安なのですが、女性は私生活で様々な役割を担う機会が多いというハンデを抱えている分、仮に採用の段階で同じくらいの能力と人柄を持った女性と男性がいた場合、男性を選びたくなってしまう企業の気持ちはわかるような気がします。もちろん、女性の方が優秀な場面もたくさんあると思います。これからは企業も色々と工夫をする必要がありますから、大変な局面は多いだろうなと感じています。
あとは、東京とそれ以外の地域の感覚差がどのくらいあるのかを知りたいです。
私がTVや新聞で目にしているのは、東京をメインに考えられた話や政策が多いと思うんですが、地方で暮らしながら働いている女性や、結婚している方、子育てをしている方たちは、どう感じているんでしょうか。待機児童や独身の女性がどのくらいいるのかなど、地方事情を誰かに教えてもらいたいなって思います。
ちょっとした最近の疑問です。この問題は、すごく奥が深いので、答えるのが難しいですね。」(真理さん)
実現したい未来がある
「仕事面では、世の中を良い方向に変えていくためのサービスを生み出したいです。
ひずみなく、周りの人が楽しく生きていけるように、そして、もしひずみが出た時にはそれを自分が直していけるようにしていきたいと思っています。
人生は、楽しく生きることができたらそれで良いですよね!周りを気にせず、環境に固執せず、自分が思う道をまっすぐに生きていくことが大切だと思っています。ただし、神様とお天道様には背を向けないこと!」(真理さん)
真理さんは、いつもシンプルな気持ちで自分の人生と向き合ってきました。だからこそ多忙ながらも楽しく過ごせている今があります。
彼女は、これから具体的にどんなサービスに目を向け、世に提供していくことになるのでしょうか。まだはっきりとは見えていない未来。
それは、今後のお楽しみにしましょう。