こんにちは。高橋ゼミのイクミです。
今回ご紹介する本は、司馬遼太郎さんの『戦国の女たち 』です。
私がみなさんに伝えたい本は、司馬遼太郎の「戦国の女たち」という本です。
司馬遼太郎の作品は「燃えよ剣」や「竜馬がゆく」など、名作がたくさんありますよね。だけどどれも長編で、読書初心者の私にとってはいくらたくさんの人に高い評価されていても、「長い話」に手を伸ばすことはやっぱり難しいもので、名前を知っていてもなかなか読めずにいました。
けれどこの「戦国の女たち」は、短編です。1つの話が40ページほどで読み切れます。そして作者は、「司馬遼太郎」。引き込まれます。びっくりしました。
なぜ引き込まれるか。それはやはり、内容に共感できるからだと思います。
この短編集はすべて、贅沢と遊びが好きな戦国時代を生きる女性の物語です。1つ目の話のタイトルは、「女は遊べ物語」。織田信長の部下である伊藤七蔵は、戦場で必死に戦って手柄を立て、つぎつぎとお金を勝ち取っていきます。それも全て、愛する妻の遊びのお金を得るためです。そんな妻の贅沢が、夫を出世させたというわけです。
「稼がなければいけない」という意志を夫に持たせた結果、使い切れないほどのお金を手に入れるも、夫は続く戦の疲れか…かわいくてかわいくて仕方のなかった妻を置いて47歳で亡くなってしまう。という、男性が聞いたらゾッとしてしまうようなラストなのが1つ目の話です。
その他にも、豊臣秀吉を成功させた妻の話などがあり、名高い武士の成功には、やはり女はかかせないようです。
そして私が一番、おもしろいなぁと感じたのは「クルミに酒」というタイトルの話で、明智光秀の娘が主人公です。「クルミと酒」は、どうやら食べ合わせが悪いらしく、それを明智の娘とその夫に例えているそうです。今でいう、ヤンデレの夫とツンドラな妻の話です。愛の天秤が、片方にかたよりすぎているがゆえの食べ合わせの悪い夫婦に、興味のある方は、是非読んでみてください。
(文:イクミ)
書籍情報
内容紹介
戦国乱世の時代、戦場を駆けた男だけでなく、女たちもまたそれぞれに「闘いの日々」を送っていた。異例の出世を遂げた豊臣秀吉の妻・北ノ政所、夫の異常な までの嫉妬にさらされ続けた細川忠興の妻・伽羅奢(ガラシャ)から、戦上手で変わり者の侍大将に思いを寄せる人妻の由紀、夫を徹底して働かせた遊び好きの 小梅まで、有名無名六人の女性が戦乱の中で咲かせた「花」を描いた珠玉の短篇集。
BIRDY meets 高橋ゼミ
「BIRDY」コラボーレーション・ブクログとして、跡見学園女子大学の高橋ゼミのブクログ情報を提供いただき、掲載しています。
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