第9回 既婚男性が語る 女性のキャリアと夫婦のスタイル – 奥様は専業主婦 「現代型役割分担夫婦で二児のパパ」吉岡宣善さんの場合

女性のキャリア、働き方

既婚の方にお会いして、お仕事や結婚後の生活、人生観についてのお話を伺うシリーズ。

今回インタビューを受けてくださったのは、NPO法人78会の代表理事を務めながら、ご自身でも事業を行っている吉岡宣善さんです。

吉岡さんのご家庭は、夫である吉岡さんが外で働き、奥様が専業主婦として家庭を守る役割分担夫婦ですが、吉岡さん自身も父母会に参加したり、子供と遊んだり、時々料理をしたりと、そのスタイルは現代型。

そして、二人のお嬢様はパパのことが大好き。絡みついたりよじ登ったり、朝になると起こしたり。パパにかまってもらう時間が大好きなのです。

最近は共働き夫婦が増えていますが、夫婦のスタイルには色々なカタチがあるはず。
だからこそ実現したかった吉岡さんへのインタビュー、ぜひご覧ください。

吉岡さんの現在の仕事・活動

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特定非営利活動法人78会 理事長

【事業内容】
1978年生まれの経営者や企業に務める社会人が中心となり、組織しているNPO法人。真面目に日本を元気にする「志」の集いを築き、人が繋がるための場づくりや様々なプロジェクトを行っている。その他、自身でも事業を行う。

 

結婚生活について

結婚時期 : 2006年6月

家族構成 : 妻、子供2人(2016年7月現在:長女8歳、次女4歳)

奥様について : 専業主婦

 

一緒に東京に出てきた「港と船」

大阪で今の奥様とお付き合いしていた頃は、お互いのキャリアプランや人生観についての明確な話はしていなかったと話す吉岡さん。自分が足もとを気にしない、木よりも森を見るタイプだったので、逆に自分の身の回りの人を大事にしている奥様に惹かれました。

「妻に出会っていなかったら今も独身だったんじゃないかな。」(吉岡さん)

入籍の数か月前に、勤務していた大手商社を退職。その翌日からベンチャー企業の役員になり、一緒に東京に出てきました。奥様を例えるなら「小さいけど人情味あふれる港。誰か人を連れて行ったら手作りの握り飯が出てきそうなイメージ。」

ご自身は、「小さいけど機動力があって頑丈な船かな。」と話してくれました。

 

夜は遅くまで働いて、次の日の朝に娘と遊ぶ毎日

吉岡さんのお仕事は、24時くらいまで。終電までには帰ることを目指して、週6日程度、お仕事やライフワークを行っています。家に着いてから、奥様が起きているときには1時間くらい話をして、奥様が先に寝ている場合には、さらに仕事の続きをしてから寝る日々を送っています。

「週1回は、妻と一緒に夕飯が食べられるように努力しています。」(吉岡さん)

帰りが遅いので、お子様と会えるのは朝のみ。朝はお嬢様たちに起こされて、ちょっと遊んだり勉強を見たり、習っているピアノを聴いたり一緒にご飯を食べたり。上のお嬢様が小学校へ出発した後は、下のお嬢様が幼稚園に行くまで遊んだり、一緒にお手紙を書いたりすることもあります。

「家族と過ごせる時間は少ないですが、家族と一緒にいる時間を作ることは自分のしたいことだし、しなきゃいけないことだとも思っています。家族が揺らぐと自分も揺らぐかもしれないと思うくらい、家庭は大事なものです。家族と過ごす時間を本当はもっと増やしていきたいです。」(吉岡さん)

休みの日には料理も

料理が好きで、ここ10年間ずっと料理をしているという吉岡さん。洗い物を少なくするためにプレート料理にすることも。「これは自然にやり始めたことです。1からラーメンを作ろうと思って7時間くらい料理し続けて、妻に怒られたこともありますけど。(笑)」(吉岡さん)

妻は「ありがとう」という言葉をよく言ってくれる

今の結婚生活で気に入っていることや満足していることは、奥様がよく「ありがとう」と言ってくれること。

「毎月、お金が入ってくる日に、ビールを6本用意しておいてくれて、『今月もありがとうございました』って言ってくれるんです。」(吉岡さん)

主婦業ってホントにすごいと思う

奥様は専業主婦ですが、「もし、これから働きたいと思うことがあったり、自分がやりたい道があったりしたら、その時は、やったら良いと思う。」と話す吉岡さん。

「専業主婦でいることも働くことも、自分の意志でその道を選んでいるかどうかが一番大事。

主婦業も立派な仕事だと思うんです。僕は大して家事を手伝えていない。母親として毎日を子供と過ごして人を育てるってことも、自分には出来ないすごいことだと思います。妻が娘たちに与えている色々な意味での栄養が、確実に子供たちの成長につながっているのを感じますし、母子の信頼関係はすごいです。」(吉岡さん)

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環境が整いきっていない世の中でもできること

子育てをしたいと思う人、仕事を思いっきりしたい人、それぞれが自分の望む道を実現できたら良いと思います。

そのための環境が整いきっていない世の中ではありますけど、祖父母と一緒に暮らすとか、色々方法はあると思うんです。社会的にも子供は宝物。男性・女性では異なるところがあるという前提で、それぞれの人が、実現したい生活を実現できたら良いですね。

世の中のルールを変えたりそれが実現される日を待ったりするのはなかなか難しいことですから、誰かが環境を整えてくれる日を待つのではなくて、住む場所や働き方など、自分が本当に実現したいライフスタイルを、まずは自分で考えて、動いて、つくる。その上で、周りの方々との敬意を持った様々な与え合いの中で、一緒につくっていくことが大事だと思っています。」(吉岡さん)

子育てを機に得た責任感と、未来に引き継ぎたいもの

「子供が生まれたことによって、未来に対する責任感が、よりリアリティーのある、体に染み付いたものに変わりました。」と話す吉岡さん。

「僕が考えている未来は、お金やものだけでは測れない、『信頼によって生まれるもの』を大事にできる世の中です。

お金ももちろん大事ではありますが、物質的なものを介した交換ではなく、人と人との信頼関係によって生まれる交換(=学び合い、活かし合い、情報交換など)を大事にしていきたいと思っているんです。

その時によって、あったり、なかったりと変化してしまうお金と違って、信頼関係はコツコツ積み上げていけるもの。そういうもので色々とシェアができる人間関係の方が豊かだと思うので、自分がいなくなった後の世代にも、そんな世の中を残したいんです。まずは自分にできることからでも。

今を生きる自分自身にその責任があるんだってことを、子供を持つようになって、よりリアルに感じるようになりました。

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今は、人と自然、時間や空間など、あらゆる世界が縮まってきています。情報量が多すぎるなあとは思いますが、その分、それぞれが『大事にしているもの(=掲げている旗)』に人が集まることができるようになりました。それらはその時によって変わっていくものだと思いますが、それぞれが大事なものを大事にしている上で想いを共感し、お互いを尊重しながら人間関係を築くことができているのが、僕が理事長を務めるNPO法人78会です。活かし合い、学び合い、分かち合い、一緒に活動することができています。」(吉岡さん)

夢はいっぱいある

「仕事面では、ライフワークとライスワークが一緒になっている状態をつくっていきたいです。そして、これからも豊かな人間関係・良いチームの中で生きていきたい。その中で自分が成長したり、人の役に立てたりできたら良いなと思います。

日本男子としては、日本の、いろんな『らしさ』や『良いところ』を大事にしたいです。
良いものを必要な人に届けたり、磨いたりしながら、未来に続くものにアレンジにしたり、再考したりすることをしていきたい。大きなことでなくても良いので、それぞれが自分にできる領域の中で『再考創(造語です)』することを、今の世代でやらなければいけないと思っています。不景気だとしても、チャンスやできることはある。夢は、色々ありますよ。」(吉岡さん)

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穏やかで柔軟な吉岡さんと話しているうちに、私はふとある考えにたどりつきました。

女性は、人生の岐路に立った時、たとえまだ結婚していないとしても、そして、その時彼氏がいないとしても、いつか結婚や出産をするかもしれないことを視野に入れて、本当に自分が選びたい道を選ぶことを躊躇してしまう瞬間があります。

でも、そんな時には、もっともっと、信じてみたら良いのかもしれません。

世の男性は、女性が思うよりもずっと、柔軟で素敵なのだということを。

 


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