『大格差 機械の知能は仕事と所得をどう変えるか』(タイラー・コーエン)-高橋ゼミ・ブクログ

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こんにちは。高橋ゼミのハルカです。

 

今回ご紹介する本は、タイラー・コーエンさんの「大格差 機械の知能は仕事と所得をどう変えるか」です。

 

本について

大格差:機械の知能は仕事と所得をどう変えるか 単行本 – 2014/9/18

タイラー・コーエン(著)、池村千秋(翻訳)、若田部昌澄(その他) 2,592円

12章構成 350ページ エヌティティ出版 ISBN: 4757123264, 9784757123267

タイラー・コーエン

経済学者でありジョージメイソン大学経済学部教授。世界で最も影響力を持つ経済学者も1人と言われている。ピケティもそのひとり。

若田部昌澄

早稲田大学政治経済学術院教授。2010年に「危機の経済政策」で石橋湛山賞を受賞。

 

本書に出会った経緯

サークルの方から頂いた事が読むきっかけである。今夏、入院した際に読書しか時間を消費する選択肢がなかった。自分でも数冊ビジネス書を持ち込んだが、読み切ってしまい時間を余していた。そんな時、お見舞い品として本書を頂いた。

 

記載内容

経済学に関する書。テクノロジー失業に陥らないために、私たちは何をすべきなのか。技術革新のスピードに人間が時代遅れになってしまい、人間にしかできない仕事が急速に減少していると指摘。本書では近年世界で注目されているAIに着眼し、未来の雇用や所得、ワークスタイルに与える影響についてデータを用いて論理的に検証・解説している。

 

お薦めする要点

自身のキャリア形成における判断材料の1つとしておすすめする。また、AIやオンライン教育など現在フィーチャーされている業界に着目しているので読みやすい。例えば、オンライン教育はコストが少量で済むというメリットがある。一方で競合が生まれれば価格競争が激しくなり、赤字ギリギリの運営になるだろうと予測ができる。

利益を最も手にできるのはイノベーションを起こした者であり、今後は今以上に新規開拓者が手にする利益は増すだろう。つまり今後何をする(仕事)者が社会の主軸となるのか、主軸にならないとしても本書の内容を頭の片隅に置いておくだけでより良いキャリア形成に繋がるのではないだろうか。

「大格差」「大停滞(タイラー・コーエン著)」「21世紀の資本(トマ・ピケティ著)」の組み合わせで読むことをおすすめします。

 

その後の影響や自分に起こった変化

哲学分野を勉強してみたいと思うようになった。今まで哲学に対して「眠たい」という感情しかなかったが、薦めていただいた方から哲学や他者の意見に目を向ける事で人生の選択肢の質が増すという考えもあると教えて頂いた。正直入院時は沢山の活字とインプット量に嫌気がさしており、分厚い本書が贈られたことに怒りを感じた。しかしそれ以上に得ることがありキャリアについて考える機会にも繋がったので、今後はこういった分野の書物にも目を向けてみようと思った。

 

※石橋湛山賞:内閣総理大臣を務めた石橋湛山を記念して1980年に創設された学術賞。政治学、経済学、社会学、比較文化等の社会科学、人文科学の学術書、論文を対象としており、1年に1度授賞式が行われている。

hしAI:Artifical intelligenceの略。人工知能を指す言葉。具体的には、人間が用いる自然言語を理解したり、論理的な推論を行ったり、経験から学習したりするプログラムをいう。

大停滞:2011/9/22 世界不況はなぜ起きたのか、インターネットなどのイノベーションは新たな経済成長をもたらすことができるのか、それまでの論争の焦点を変えたとして話題になった1冊。

21世紀の資本:数量歴史書と成果的に高評価されている経済学書。長期に渡り集めた膨大なデータを基に「所得と富の分配」について述べられている。

 

(文:ハルカ)

 

書籍情報

内容紹介

内容紹介

テクノロジー失業に陥らないために何をなすべきか?
近年の世界的な富裕層と貧困層の格差拡大の根底には「経済のグローバル化」「テクノロジーの進化による生産性の向上」「停滞した産業と活力のある産業の二極化」という抗うことのできない変化がある。
本書では、飛躍的な進化を遂げるテクノロジー=機械の知能に注目し、技術革新が未来の雇用・所得・ワークスタイルに与える恐るべき影響を徹底検証する。

 

 

BIRDY meets 高橋ゼミ

「BIRDY」コラボーレーション・ブクログとして、跡見学園女子大学の高橋ゼミのブクログ情報を提供いただき、掲載しています。

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▼2年実践ゼミナール 「働く女性と法ゼミ」 時事問題や女性を取り巻く法と会社法を学ぶ。 全員2週間のアカデミック・インターンシップを体験 インターンシップ先は、議員事務所、区役所、一般企業等。 ▼3.4年展開ゼミナール「企業法ゼミ」 会社法と金融商品取引法を学ぶ。 判例研究や、論文の輪読など。 (ゼミ員数 2年~4年、各学年15名前後)