こんにちは。高橋ゼミのナツミです。
今回ご紹介する本は、太宰治さんの『人間失格』です。
誰しも耳にしたことがあるこの本。けれど、実際に読んだことがある人は、あまりいないのではないだろうか。私自身、読もうと思い買ったが、文章の口調が私には読みにくく、数年本立てに眠ったまま読んでいなかった。
この本は、太宰治の生涯について書かれているものだ。その生涯は、決して素晴らしいとは言えない、彼の言っているように恥の多い生涯かもしれない。そこに、彼の内面的な感情も細かく書かれている。誰しも、外に見せる世界と、内面的な世界があると思う。彼は、恥ずかしさを隠すことなく、自分の精神的な部分の弱さや過ちを赤裸々に、この本を書き上げている。そこがこの本の魅力となっていると思う。
実際にページを読み進めていくと、最初は、難しい言葉であったり、書かれた年代も違うということもあり、私には読みにくかった。けれど、読み慣れていくうちに、「こういう考えもあるのか。」や、「太宰治は有名だけど、こういう人物だったのか」など興味が沸き、読むのが面白かった。読み終え、何がよかった。と的を当てて言えることは、経験も少ない未熟者の女子大生にはなかったが、確かに言えることは読んでよかったなということ。私自身親に守られ生活しているので、彼のように地獄を見ることはないかもしれない。けど、少し前の時代ではこんなこともあったことや、人間落ちるときはどん底に本当に落ちるということを、さらに感じられたこと。こういう考えの人がいるということ。偽りではなく、正直に赤裸々に書かれているからこそ、言葉にできないが、感じることはたくさんあった。
読んでみて、無駄ではないと思う。ぜひ皆さんにも読んでほしい。
(文:ナツミ)
書籍情報
内容紹介
「無頼派」「新戯作派」の破滅型作家を代表する昭和初期の小説家、太宰治の長編小説。初出は「展望」[1948(昭和23)年]。自分の幸福の観念と世の 中のそれが、まるでくい違っているような不安に悩む大庭葉蔵の半生を自意識過剰に描いた、太宰文学随一の傑作。臼井吉見が言うように、太宰文学の「最高の かたち」の「遺書」であるとともに、日本近代文学を代表する作品。
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「BIRDY」コラボーレーション・ブクログとして、跡見学園女子大学の高橋ゼミのブクログ情報を提供いただき、掲載しています。
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